健康・医療 平均寿命と健康寿命 ●女性は87.3歳、男性は81.5歳 全国上位の平均寿命 平成27年市区町村別生命表(厚生労働省)において、横浜市の平均寿命は全国平均を上回るとともに、男性については青葉区(83.3歳)が全国1位、都筑区(82.7歳)が4位、女性については都筑区(88.5歳)が6位、青葉区(88.5歳)が9位と、全国市区町村別の上位に入りました(図1)。 区別に見ると、男性は青葉区と最も低い中区(78.5歳)とは4.8歳の差があります。女性は都筑区と最も低い南区(86.1歳)との差は2.4歳となっています。 なお、市区町村別生命表は、5年おきに作成され各年齢ごとの平均余命を推計したのち、0歳の平均余命が「平均寿命」ですが、横浜市の平均寿命は、平成22年からの5年間で、男性は80.3歳から1.2歳、女性は86.8歳から0.5歳伸びています。 ●注目される健康寿命 平均寿命とともに、近年は「健康寿命」が注目されています。健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を示すもので、横浜市の健康寿命は、2016(平成28)年の時点で、男性が71.52歳、女性が74.48歳です。平均寿命が伸びる中、平均寿命の伸び以上に健康寿命を伸ばすことが、個人の生活の質の低下を防ぐ観点からも、社会的負担を軽減する観点からも重要となっています。 なお、平均寿命との差は、男性が9.85歳、女性が12.56歳となっています(図2)。 健康に関わる生活習慣 ●睡眠、喫煙、飲酒など、生活習慣から見る市民の特徴 健康に関わる生活習慣等として、平均睡眠時間、喫煙、飲酒、悩みやストレスの状況について、横浜市と全国を比較すると、平均睡眠時間は「5時間以上6時間未満」や「5時間未満」の割合が高くなっています。喫煙は全国平均並みで、飲酒については全国よりも毎日飲酒する人の割合は比較的低いものの、飲酒する人の割合はやや高くなっています。また、悩みやストレスがある人の割合は全国平均よりも特に男性で高くなっています(図3〜6)。 スポーツをする人の割合(行動者率)を、平成28年社会生活基本調査の結果から見ると、全国平均と比べてかなり高くなっています。種目別では「ウォーキング・軽い体操」が最も多く、「器具を使ったトレーニング」、「登山・ハイキング」、「水泳」、「ジョギング・マラソン」が続いています。 最後にがん検診の受診率について紹介します。 平成28年国民生活基礎調査の結果によると、40〜69歳で過去1年間にがん検診を受けた人の割合は、肺がんの検診が45.5%で最も高く、胃がん検診が42.6%、大腸がん検診が41.9%、乳がん検診が37.5%となっています。また、子宮がん(子宮頸がん)検診について20〜69歳の人の受診率は36.2%となっています。全体として、受診率は毎年少しずつ上昇しています。 医療機関の利用等 ●延べ患者数はおおむね横ばいで推移、医療費は増加傾向 2017(平成29)年10月の時点で、市内の医療機関は、病院が133、一般診療所が2977、歯科診療所が2078か所となっています。また、医療機関のうち病院の病床数は2万7612床で、いずれも近年大きな変動は見られていません。 また、患者数については、市内の病院の外来患者延数は微減、在院患者延数は微増となっています(図7)。 一方、全国の資料となりますが、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る治療費用を推計した「国民医療費」の推移を見ると、わずかに前年度を下回る年度はあるものの、全体としては右肩上がりとなっています(図8)。また、この国民医療費を年齢階級別で見ると、2016(平成28)年度では、65歳未満の人口一人当たり国民医療費は18万3900円、65歳以上では72万7300円となっています。このような傾向は横浜市においても同様と考えられます。 ●医療機関を利用する割合は全国平均よりも低い傾向が続く 市内の病院等の利用状況を見ると、人口10万人当たりの平均外来患者数は829.0人で、全国平均の1062.8人の約8割となっています。また、平均在院患者数は613.2人で、全国平均の988.3人の約6割となっています。外来及び入院ともに利用の割合は低く、医療機関利用の特徴と考えられます。 ●救急搬送は年々増加 高齢化の伸展に伴い、救急車両による救急搬送数(救急搬送人員)は増加しており、2017(平成29)年は16万8千人に達しています。搬送数の67.0%が急病、18.2%は一般負傷によるものです(図9)。また、年齢別では65歳以上が55.9%を占めています。 なお、熱中症による救急搬送数は、2010(平成22)年以降、毎年600人以上となっていますが、記録的な猛暑であった2018(平成30)年には1711人を記録しました。 ●死因は悪性新生物(がん)、心疾患、老衰の順 最後に死因別死亡数の状況を紹介します。 全国における死因別死亡数の割合の上位は、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患、老衰、肺炎の順ですが、横浜市においては、3位以下は老衰、脳血管疾患、肺炎の順となっています(図10)。 なお、年代別の死亡数の割合は、70代以上が82.3%を占め、50歳未満は3.4%となっています。