広報よこはま15ページ
OPEN YOKOHAMA
2023(令和5)年1月号 
No.887


〇よこはま彩(さい)発見 vol.1

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。
年賀状や書初めなど、文字に触れる機会が多いこの季節。第1回は横浜と文字の物語です。

「金属活字の伝来と情報発信のはじまり」
 横浜市歴史博物館 学芸員 石崎 康子

 パソコンやスマートフォンで使われる文字は、デジタル化された書体(デジタルフォント)です。デジタルフォントにはさまざまな書体がありますが、その一つに明朝体という書体があります。
 明朝体は、中国の明王朝・清王朝初期(14~17世紀)に、整版(木版)印刷用に作られた書体でした。印刷技術が整版から活版に発展すると、金属で活字が作られるようになりました。
 中国語を記す明朝体の漢字活字を制作したのは、驚くことに、東洋学が盛んになったヨーロッパで、キリスト教のアジア伝道に伴い中国に伝わりました。その技術は明治2(1869)年、上海から長崎に伝えられ、その翌年には横浜に伝えられます。活版印刷術の活用によって印刷される文字数と部数は格段に増加し、印刷物が伝える情報量が高まったことで、横浜は日本における主要な情報発信基地としての歩みを始めます。
 現在開催中の展示では、活版印刷と明朝体活字の誕生、活字と印刷術の日本への伝来、そしてその後の発展の歴史をたどります。デジタルフォントに囲まれた現在の文字文化の原点に触れてみませんか。

さらに詳しい話はウェブページをご覧ください。

◆企画展「活字 近代日本を支えた小さな巨人たち」

2月26日(日)まで横浜市歴史博物館(市営地下鉄「センター北」駅下車 徒歩5分)で開催中です(有料)。

【問合せ】横浜市歴史博物館 電話045-912-7777 ファクス045-912-7781


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